遺言執行者の選任や解任

遺言執行者を選任する方法

遺言執行者とは遺言書に書かれていることを実現するために様々な手続きを中心となって進めていく人物のことです。

遺言執行者の選任は遺言者本人の遺言によって指定されて決まる場合と、家庭裁判所が選任手続きを行って指定される場合とがあります。

次の場合に家庭裁判所で遺言執行者の選任手続きが必要となります。

  • 遺言書内で遺言執行者が指定されていない。
  • 指定された遺言執行者がすでに死亡している。
  • 指定された遺言執行者が辞退した。この3つです。

なお、銀行や法務局などの相続手続きをする機関によっては、遺言執行者の選任をする必要がない場合もあります。

遺言執行者になれない人は未成年と破産者です。

未成年と破産者はたとえ遺言書に指定されている人であっても遺言執行者の選任はされません。

ただし、遺言書を作成した時点では未成年であった人でも遺言者が亡くなった時、または相続発生時に成人になっていれば遺言執行者の選任を受けることができます。

遺言執行者になれる人は、未成年と破産者以外であれば誰でもなれます。

相続人はもちろん友人、知人でもなれます。

しかし遺言執行者は当然のことながら利害関係が絡むことがほとんどなので手続きを円滑に進めるためには、相続において利害関係者にあたらない人から選任するのが望ましいと言えます。

さらには、相続についての専門知識を持った人の方が良いことは自明の理です。

適任者が見当たらない場合は、弁護士などの専門家に任せるのが相続手続きをスムーズに進めることができ、相続人同士のいざこざがある場合の解決にもなります。

遺言執行者の代理人を弁護士に依頼した場合の報酬

遺言執行者は相続人に任せるとトラブルが発生するケースが多いので、第三者に任せる方が安心です。

法律の専門家である弁護士に遺言執行者を任せた場合の費用の相場としては、300万以下であれば30万円、300万~3000万円は2%+24万円、3000万~3億円は1%+54万円となっています。

遺言執行者を解任したい

遺言は相続人同士の利益が絡む問題ですから、いかに公正に執行されるのかがポイントとなります。

ところが、遺言執行者と利益が得られる相続人が同一である場合、公正に執行されないケースも出てきます。

そういった場合には、家庭裁判所に申し立て遺言執行人の解任を求めることが可能です。

遺言執行者の解任理由

具体的に、どういう理由であれば、家庭裁判所は遺言執行人の解任を認めるのかというと主に2つの理由です。

一つめは、遺言の執行を怠った場合で、相続を執り行わなければいけないのに、財産がどれだけあるのかという財産目録を交付していなかったり、ほかの相続人に請求されたことをやらなかった、相続するべき

財産をちゃんと管理せずに何らかのトラブルを引き起こした、といった場合です。

二つめは、解任することが正当と思える事由がある場合で、相続人同士に深刻な対立があるだけでは解任事由と認められず、あくまでもそれに伴い遺言執行に支障が出る場合となります。

遺言執行者の解任手続き

次に具体的な解任手続きについてですが、申し立てることができるのが相続を開始した場所を管轄する家庭裁判所となります。相続人が遠方に住んでいても、手続きをするためにはそこまで足を運ばなくてはいけません。

そして申し立てることが出来るのは相続人など相続に関して利害が発生する人です。

申立書や戸籍謄本など必要な書類と収入印紙800円、予納郵便切手を添えて、申し立てをします。

遺言執行者が死亡してしまったら

遺言書の内容を実行するべく指定されているのが遺言執行者です。

遺言によって遺言執行者が決められたものの、遺言者が死亡する前に、指定された人物が死亡した場合には、その遺言に書かれた条項の効力は失われてしまいます。

複数名の執行者が指定されている場合には、死亡した者以外の人物が遺言執行を行えばよいのですが、1人のみの指定だった場合、遺言執行者が存在しないという事態となります。その場合は、新たな人を指定する必要が出てきます。

遺言者が新たな遺言を作成して、遺言執行者を再び指定したり、指定の委託を行います。

相続発生前であれば問題はありませんが、遺言書を書換えないまま相続が発生してしまったときは、遺言執行者が不在の状態になってしまいます。

あらためて遺言執行者を決めることもできますが、選任にあたっては裁判所での手続きが必要になります。

相続発生後に執行者が死亡した場合には、すでに相続が発生していますので、遺言書の書換えはできません。

こちらも遺言執行者の選任の手続きをあらためて行います。家庭裁判所にて、利害関係人が請求することでなされます。

遺言書を作成する場合、遺言執行を依頼するかどうか、専門家に相談のうえ、検討すると良いでしょう。